Zortrax M200 を5ヶ月使ってみた
Zortraxも約5ヶ月使用したのでレビューしてみます。
外観
以前にも書きましたが、めちゃ好み。ドストライク。
アルミニウム筐体の半艶消し塗装は非常に質感が高いです。
スライサー
独自のスライサーZ-Suiteを使用します。
このスライサーが結構良く出来ていてラフトやサポートを
簡単に剥がせることができます。
atomで使っていたKISSlicerから比べると劇的に剥がしやすいです。
これはスライサーだけでなく専用フィラメントを使用しているのが効いているのかも知れません。
SIMPLIFYも剥がしやすかったんですが、それ以上かも。
ラフトを剥がした跡はこんな感じになります。
色が黒なので線が目立ちますが、スムーズ剥離&平滑。
分かる人には分かるはず。グッジョブっす。
あと、UI(ユーザーインターフェース)が非常に洗練されていて
分かりやすいのも特徴です。
これは勝手な解釈なのですがヨーロッパの製品は
どうしても販路が多言語になるので
それでも理解できるように考えられているのかなと、
なので英語中学生レベルの私でも理解できるのかなと、
日本や米国のように自国語だけで考えればよいのとは
基本姿勢が違うように思います。
プリント精度
これはもう問題ないです。
以前の記事にも書きましたが今まで見てきたFDM機ではトップクラスです。
作動音
静かです。これも色々FDM機を見てきましたが静かな方です。
部屋で使っても大丈夫なレベルです。
その他
ヒーテッドベッドが多孔タイプです。そのためラフトは必須。
よってMOMENT Sのようなツルピカ面は作れません。
多孔タイプなので食いつきは良い=造形物をベッドから剥がすのが意外と大変です。
こんな感じで付属のヘラで剥がすのですが、大きい造形物はかなりの労力が必要です。
力を入れてグリグリして急に剥がれるとベッドに手が当たってケガをする可能性があるので軍手の着用と
ラフトの破片が弾いて来るのでゴーグルも着用した方がいいです。
(どちらもちゃんと付属されてますw)
この辺りはガラス製ベッドに慣れると非常に面倒に感じます。
剥がしにくい場合はベッドを本体から外してから剥がすのが良いのですが、
ケーブルのコネクターが2つあって一つは小さいのと、もう一つは固いので
どちらも破損しないか結構気を使います。
ヘラでグリグリやるのでベッド表面が結構傷つきます。
まあラフトを敷くので造形物には関係ないですが。
あと、フィラメントの交換も非常に簡単です。
マニュアル(英語)を読んでその通りにやれば特に問題ないです。
よくできたエクストルーダだと思います。
MOMENT S の方が色々コツがいります。
ベッドの調整はマニュアル通りにすすめれば出来ます
が、
ネジを回せという指令がどの程度回すのか不明で
ネジを締めるのが少し面倒です。
でも一度やればそうそうすることもないので大きな問題ではないです。
不満な所
ここまではZortraxの良いところばかり書いてきましたが、
不満な所も当然あります。
まずはPLAが使えない事でしょうか。
出力後磨いたり接着したりサフ吹いたりする場合はABSの方がいいのですが
反らしたくない時や匂いを考えるとPLAも出力できるとありがたいのですけどね。
私的にZortraxは試作的出力がメインなので構わないのですが、
コレ1台で運用の場合少し不満が残るでしょうね。
あと使ってみて始めて気付いたのですが
時折焦げ(コゲ)が出ます。
四角い開口部の上も少し茶色くなっていますね。
これはノズルに付着した材料が造形中に焦げて
付着するものと思われます。
対処方はプリント前にノズル清掃をする。
なのですが
Zortraxではラフト生成時に多めのフィラメントが吐出されます。
どうもその時のフィラメントがノズル周囲に付着するようなので
大きめの造形物になればなるほどノズルに付着する率が高くなります。
ですからいくら最初にノズル清掃してもラフト生成時にまた付着してしまいます。
なので絶対に焦げNGの場合は
ラフト生成直後、一旦停止しノズルを清掃
※ノズルは非常に高温なので火傷に注意!!
そしてプリント再開するのがベストかと思います。
プリントの一時停止はコントロールボタンを長押しすれば停止します。
あと黒色なら無問題かw
ノズル清掃にはこれを使ってます。
ダイソーで売ってる除光液
安いし、使いやすいボトルに入っているし、やさしい香りだし
三拍子そろってますw
ノンアセトンですが、結構落ちます。
エクストルーダケーブルの故障
そんな感じで4ヶ月ほど使っていたら急に造形不良が起きるようになりました。
部分的に吐出されていない感じです。
最初ノズル詰まりを疑ったのですがノズルが詰まったのなら
以降もプリント出来ないはず。
しかし今回は出来てますね?
とにかくフィラメントをアンロードしようとすると
エクストルーダのギアが・ゴ・ゴ・ゴとなって回転しません・・・
もしかしてステッピングモーターの不調?
でもまだそんなに使ってないし・・・
とググった所、それらしき記事がなかったのですが
色々検索してエクストルーダケーブルが断線したという人を発見!
もしかするとこれかも?
と思い、ケーブルをグニグニして再度アンロード。
するとちゃんと作動しますがな。
ネット万歳!
要はケーブルが特定の場所で断線されるので造形不良が起きていたのです。
まだ使って4ヶ月での断線は想定外でしたが、
そういえば思い当たる節がありました。
エクストルーダケーブルは後付けのクリップで固定するのですが
それを適当に2ヶ所で留めたために変な所に負荷が掛かって
断線したのではないかと推測されます。
このリボン状のケーブルがエクストルーダケーブル
そしてこちらがクリップ
このクリップ3個を適正な位置に貼り付けてなかったので断線した模様・・・
みなさん!このケーブル断線しやすいので気を付けてくださいね。
ケーブルを替えれば直りました。
エクストルーダケーブルはアドウイクスさんで購入できます。
総括
お値段はこのクラスとしては標準的な¥280,000
さすがに前評判通りの性能です。
使用フィラメントの制約が気にならなければOKでしょう。